男子テニスで、世界66位の杉田祐一(28=三菱電機)が、自身初のツアー優勝を遂げるとともに、日本男子初のツアー芝大会優勝の快挙を飾った。アンタルヤ・オープン(トルコ)は1日、シングルス決勝が行われ、同62位のマナリノ(フランス)を6-1、7-6のストレートで破り、松岡修造、錦織圭に次ぐ日本男子3人目のツアー優勝となった。杉田は優勝の瞬間、コート上に倒れ込むと「やったー」と叫んだ。

 気温40度を超える中での死闘だった。第1セットの第1ゲームで自分のサーブで大ピンチ。0-40と、3本連続のブレークポイントを握られた。しかし、そこを逃れると第1セットを先取。第2セットも2-4から追いつき、最後はタイブレークで突き放した。

 高校総体優勝など、ジュニア時代から将来を嘱望された。07年に18歳で日本代表に抜てきされ、デ杯の中国戦で勝利。18歳4カ月での勝利は、08年に錦織に抜かれるまで代表最年少勝利だった。しかし、プロ転向後、4大大会予選に17回挑戦しながらすべて敗れた。その苦労がついに実った。

 11年東日本大震災の時には、仙台の実家は大きな被害はなかったが、自ら呼びかけ、テニス関係者や仲間から寄付を募った。この勝利で、3日発表予定の最新世界ランクで44位前後になる。錦織に続き、松岡の持つ46位を抜く修造超えだ。

 ◆杉田祐一(すぎた・ゆういち)1988年(昭63)9月18日、仙台市生まれ。7歳でテニスを始め、神奈川・湘南工大付高時代の05年に高校総体優勝。06年にプロ転向し、09年東アジア大会シングルス金メダル。デ杯は07年中国戦で代表デビュー。10、12年に全日本選手権優勝。16年リオデジャネイロ五輪代表。176センチ、67キロ。