ホンダは31日に開幕するイタリアGPでフェルナンド・アロンソのマシンに「スペック3.7」と呼ばれる改良型パワーユニットを投入することを明らかにした。

 前戦ベルギーGPから2週連続での開催だけに、かねて燃焼系の大幅改良を軸に開発を進めてきた「スペック4」は間に合わなかった。しかしホンダは軽量化したICEなど現状で投入できる限りの最新型パワーユニット「スペック3.7」を持ち込んだ。この最新型パワーユニットを最も成績が期待できる低速のシンガポールGPで実戦使用するため、イタリアGPの金曜日に投入してここで年間使用基数制限違反のグリッド降格ペナルティを消化しておく。金曜フリー走行2回目からはベルギーGPまでに使用したスペック3.5に戻す予定だ。

 前戦ベルギーGP決勝でアロンソはエンジントラブルと主張してリタイアしたが、その後のチェックでも問題は見つからず、今週末もフリー走行2回目以降はこのパワーユニットが引き続き使用される。ベルギーGPからイタリアGPまでのインターバルの間にもホンダの開発拠点HRD Sakura(栃木県・さくら市)ではベンチテストが進められ、このスペック3.5では制御セッティング面をさらに攻めてパワーを引き出すという。これにより予選などピンポイントでの出力はルノーに匹敵するところまで伸びると見られる。

 イタリアGPが行なわれるモンツァ・サーキットはエンジン全開率が75%を越える超高速サーキットで、マクラーレン・ホンダにとっては今季最大の苦戦が予想される。この改良によってどこまで不利を挽回できるか注目が集まる。(米家峰起通信員)