2季目のBリーグが29日に開幕する。日刊スポーツでは開幕を前に、今季の注目選手や見どころ、優勝予想を「2季目Bリーグ ここに注目」と題し、3回連載する。第1回は、筑波大4年ながらすでに日本代表でも活躍する大物ルーキーの馬場雄大(21=A東京)。代名詞のダンクシュートや驚異的なジャンプ力で、日本バスケットの常識を変える可能性を秘める逸材だ。

 ボールを持つだけでワクワクする、NBAのスーパースターのような選手が、ついに日本のプロリーグにも現れた。現役大学生としてリーグ屈指の人気チーム、アルバルク東京に加入した馬場だ。日本代表デビュー戦となった2月のイラン戦では最初のシュートで代名詞のダンクを見せ、今月1日の関東アーリー杯SR渋谷戦でも、公式戦デビューでいきなりダンクを決めた。

 「目の前にボールや獲物があると、無限に跳べる気がするんです」。元日本代表で2メートルの長身だった父敏春氏の指導を受け、中学卒業時にダンクを練習。富山第一高1年の県大会で、初めて成功させた。筑波大では1年からレギュラーとなり、当たり前のようにダンクを決め、全日本大学選手権3連覇に貢献した。

 そんな馬場は「1年でも早く世界レベルでやりたい」と進路に昨季Bリーグ東地区2位の強豪、A東京を選んだ。日本代表で1対1で指導を受けた前代表監督代行ルカ・パヴィチェビッチ監督のもと、世界、そして20年東京五輪を見据えた指導を受けている。

 同監督には、その攻撃力だけでなく守備能力も買われている。馬場のもう1つの特徴が、3点シュートを阻止するプレーだ。A東京のエース田中大貴に「3点シュートをコンテストする(邪魔する)日本人はいない」と驚かれた。教育実習などのため練習合流に遅れ、序盤はベンチスタートの可能性が高いが、驚異のジャンプ力と瞬発力を武器とし、攻守に目の離せないプレーヤーだ。【桝田朗】

 ◆馬場雄大(ばば・ゆうだい)1995年(平7)11月7日生まれ、富山県出身。富山第一から筑波大へ進学。15年に日本代表候補、U-24日本代表となる。日本代表は17年2月のイラン戦でデビュー。同年6月の東アジア選手権、8月のアジア杯も出場。195センチ、90キロ。ポジションはスモールフォワード。