新潟アルビレックスBBが開幕戦を勝利で飾った。島根スサノオマジックに82-75で逆転勝ちした。名古屋Dから移籍のベテラン、パワーフォワード(PF)鵜沢潤(35)が魅せた。第2クオーター(Q)、第3Qとフル出場し、11得点、4リバウンドをマーク。オフェンスリバウンドからシュートを決めるなど、リング下で体を張ったプレーで流れを引き寄せた。新潟は第2Qで39-40と1点差に詰め寄ると、第3Q残り7分19秒で44-42と逆転し、その後はリードを広げた。今日1日は開幕2連勝をかけて島根と対戦する。

 新潟の開幕勝利の土台をつくったのは百戦錬磨のPF鵜沢だった。16-27と11点のビハインドで迎えた第2Q。外国人選手は1人だけ出場する。鵜沢は開始からコートイン。「オンザコートワンの時間帯に詰めておきたかった」。193センチ、103キロの体をフルに生かす。残り6分13秒で獲得したフリースローを2本成功。ディフェンスリバウンドも2本奪って攻撃につなげ、チームの反撃を促した。

 同じくオンザコートワンの第3Qは9得点。SF遥天翼(28)のシュートで44-42とリードした直後に、リング下のタフショットを決めて46-42。残り5分35秒で50-45とした1本は、自らオフェンスリバウンドを獲得して決めたものだ。

 第2、3Qでフル出場し、20分間のプレー。「そこで貢献するのが自分の仕事」。第3Qは、この日28得点を挙げたセンター(C)ダバンテ・ガードナー(26)が、唯一無得点だった時間帯。「ダバンテに頼ってばかりではダメ」。そんな鵜沢を軸に、新潟は逆転に成功した。いぶし銀のプレーでチームを乗せたベテランを、庄司和広監督(43)は「だいぶ動けるようになった。もっとできる」とたたえた。

 開幕戦の入場者数は3926人。「シュートが入るたびにすごい歓声。鳥肌が立った」。名古屋Dで13季過ごし、今季初めての移籍で新潟に。場数を踏んでいる身ですら、気持ちが高ぶった。後押ししてくれたファンに、名刺代わりとなる玄人好みのプレーを披露。「連勝したいですね」。そのために精度を上げて今日の2戦目に臨む。【斎藤慎一郎】