開幕戦で、秋田ノーザンハピネッツが熊本ヴォルターズを73-59で下し、B1再昇格へ好スタートを切った。第1クオーター(Q)こそリードされた秋田だったが、同点で迎えた第2Q終了間際に小野寺祥太(22)の3点シュートが決まって勝ち越し。熱狂的ピンクブースターを歓喜の渦に巻き込んだ。

 終了のカウントダウンが0になった瞬間、4165人のクレージーピンクで埋め尽くされたアリーナに、地鳴りのような歓声がわき起こった。ゆっくりと勝利の余韻をかみしめる選手たち。前半を5点差の接戦で折り返したが、最後は14点差をつけ、突き放した。

 シーソーゲームにけりをつけたのは、チーム最多タイの13点を決めた小野寺だった。29-29で迎えた第2Q終了間際、「しげさん(田口成浩主将=27)にパスを出そうと思ったが2人マークがついていたので考えず思い切り打った。決まってくれてよかったです」と、3点シュートがリングをすり抜けた。息をのんでシュート軌道を見つめていたブースターが歓喜を爆発させるのもつかの間。直後に速攻から連続ポイントを奪い、試合の流れを一気に呼び込んだ。

 ジョゼップ・クラロス・カナルス・ヘッドコーチ(48=ペップHC)は「第2Qに皆が喜んでいる姿を見ることができ、すごく楽しめた。12人全員でアグレッシブに動く自分たちのバスケをみせることができた。個々の選手が求めていることに応えてくれた」と小野寺ら選手をたたえた。

 1年でのB1再昇格を目指し今季は、メキシコ代表監督経験を持つスペイン人のペップHCを招き、他クラブに先駆けて8月1日に始動した。100%の力を出し切る激しいディフェンスからの攻撃に磨きをかけてきた。この日も高い位置からの激しいプレッシャーをかけ相手に攻撃のリズムを作らせなかった。

 田口主将は「点差がついて軽いプレーもあった。ファウルが多くて流れをつかめなかったので、修正したい。最後まで気を抜かず明日勝って次につなげたい」と気を引き締めた。今日1日の2戦目に勝ち、さらなる勢いを付けたい。【下田雄一】