内山靖崇(北日本物産)、マクラクラン勉(ともに25)組がゴンサレス(メキシコ)ペラルタ(チリ)組に7-5、6-4で勝ち、決勝に進んだ。日本男子ペアのツアー大会の決勝進出は、05年にジャパンオープンで優勝した岩渕聡、鈴木貴男組以来2組目。今日8日の決勝ではJ・マリー(英国)ソアレス(ブラジル)組と対戦する。

 結成して約2カ月のコンビが快勝した。マッチポイントでマクラクランのサーブがさく裂。12年ぶり史上2組目の決勝進出に、2人は両手を突き上げ喜びを爆発させた。「信じられない」と内山が言えば、マクラクランも「2人とも調子が良かった」と、絶好調宣言だ。

 ツアーのダブルスは、ジュースの後は、アドバンテージポイントがない1ポイント勝負の方式だ。そこで日本ペアは勝負強さを発揮した。6度のジュースのうち、5度をものにした。「勢いが大事。精神的に楽に戦えている」(内山)ことが快進撃につながった。

 05年に優勝した岩渕、鈴木組は、デビス杯(デ杯)の日本代表でも歴代最多の14試合に出場し、最多9勝を挙げた名コンビだ。しかし、その後、デ杯では日本男子にとってダブルスは泣きどころだった。岩渕が引退した後のワールドグループで、11年からダブルスは2勝10敗。しかし、ようやく2人の躍進でめどが立った。

 ツアーでダブルス3勝を誇る日本代表のトーマス嶋田コーチが、今年4月、母が大阪・柏原市出身のマクラクランのダブルスの才能を見抜いて日本に誘った。「早く来い」と声をかけ、マクラクランは6月にニュージーランドから日本に登録を変えた。その成果がついに実った。【吉松忠弘】

 ◆日本男子のダブルス成績 55年に4大大会の全米選手権(現在の全米オープン)で宮城淳、加茂公成組が優勝している。33年ウィンブルドンでは佐藤次郎、布井良助組が準優勝。70年に現行ツアー制度が創設されてからはトーマス嶋田の3度の優勝が最多だが、すべて外国選手とのペア。

 ◆WOWOW放送予定 8日午後0時45分から。午後3時55分から。ともにWOWOWライブ。生中継。