全勝対決はパナソニックに軍配が上がった。2季ぶり優勝を狙うパナソニックが21-10で昨季王者サントリーを下し、開幕9連勝を飾った。前半から持ち味の堅守速攻を発揮し、昨季の日本選手権決勝のリベンジを果たした。日本代表11人を擁する層の厚さを見せつけた。

 パナソニックが昨季王者をねじ伏せた。前半は一進一退の攻防が続いたが、1点リードの後半21分にゲームが動いた。CTB松田が相手ボールを奪い、WTB山田がタッチライン際を約40メートル独走し、右隅にトライを決めた。その後は自陣22メートルライン付近で防御の時間が続いた。オーストラリア代表フランカーでボール争奪戦の名手ポーコックがラックで絡んで相手の反則を何度も誘った。ポーコックは「低いタックルを決める他の選手がいてこそ。総合力での勝利」と納得の表情を見せた。

 1月の日本選手権決勝ではサントリーに10-15で敗れた。「打倒サントリー」を掲げ、前節は6勝1敗だった神戸製鋼を56-7で圧倒。フッカー堀江ら日本代表11人が所属し、堅守速攻で自陣からでも各選手が得点出来る。WTB福岡は「代表とサンウルブズの経験値がチーム力を向上させている」と話した。

 日本代表は11月4日、世界ランキング3位のオーストラリア戦(横浜)を控えている。同国代表監督を6年間務めたディーンズ監督は「(9連勝の)フレッシュさを保ったまま、私のチームをボコボコにしてもらいたい」とユーモアを交えて代表選手を送り出した。【峯岸佑樹】