標高2200メートルのメキシコシティで行われるメキシコGPでは苦戦を予想していたマクラーレン・ホンダだが、予選ではフェルナンド・アロンソが5番手タイムでQ1を通過するなど好走を見せた。

 パワーユニット交換によるグリッド降格ペナルティーが決まっていたため、Q2では本格的なタイムアタックは行わず14・15位で予選を終えたが、マシンのパフォーマンスに大きな手応えをつかんだようだ。

 フェルナンド・アロンソはQ1でのトップのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)とわずか0.192秒差だったことを理由に車体としては最速だったと語った。

 「クルマのフィーリングは昨日のフリー走行から良かったし、それは予選でも変わらなかった。コーナーでのグリップ感は高いし、すごくポジティブなフィーリングだった。今日はこの3年間で初めて僕らがベストマシンだったと思う。Q1でトップのメルセデスAMGから0.2秒差だったんだ。どこでどれだけ稼ぎ、(パワー不足による)ストレートでの不利がどれだけ大きいかは分かっているから、0.2秒差なら(車体単体では)トップのメルセデスAMGより圧倒的に速かったことになる」

 実際にはQ3で予選1位・2位となったセバスチャン・フェテルとマックス・フェルスタッペンがQ1ではスーパーソフトタイヤで走行しており、タイヤの差が約0.6秒。実質的には彼らとは0.7秒の差があり、上位勢はQ1では抑えて走っているため全開アタックのQ3のタイムと比べれば約1・2秒の開きがある。パワー差をタイムに換算しても、車体単体でトップとは言えないのが実情だ。

 むしろポジションとしてはいつも通りの3強に次ぐ位置を争うところで、事前に覚悟していたよりも高地の影響によるパワー低下を小さく抑えることができたことによって、本来の位置にとどまることができたというのが実際のところだった。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は次のように説明する。

 「(普通に戦っていれば)Q3には十分に行ける速さはあったと思います。もちろんクルマが良いというのはあると思いますが、ある意味クルマはあんまり変わらず(ここ数戦は)ずっと良かったですから、むしろエンジン側が我々が思っていたほど悪くなかったというのが(想定以上の好走の)理由だと思います。もちろん高地の影響でパワーは落ちていますけど、他社と比べて相対的に見ても落ち方はそんなに悪くなかったということだと思っています」

 ピエール・ガスリー(トロロッソ)がパワーユニットトラブルで予選に出走できず最後尾スタートとなったため、アロンソは18番グリッド、ストフェル・バンドーンは19番グリッドから明日の決勝に臨む予定。

 「ストレートの最高速が遅いから他車を追い抜くのはとても難しいだろう。でもアグレッシブに戦っていくつもりだし、前で何かが起きればそのチャンスをつかみたいと思っている」(アロンソ)(米家峰起通信員)