太田会長がフェンシング界を盛り上げる。高円宮牌W杯の前日会見が10日、都内で行われ、日本協会の太田雄貴会長(31)は「もっと身近な競技にしたい」と話した。今大会は、8月に会長に就任して以来、初めての国内での国際大会。太田会長の発案で、準決勝と決勝ではLED技術を駆使し床全体が発光する演出を行う。フェンシングの試合でこのような試みは例が少なく「演出は当日のお楽しみです」と話した。2016年に開幕したバスケットボールBリーグの開幕戦でのLEDを使った演出からイメージを膨らませた。

 今は会長として、フェンシング界の発展を献身的に支える。「選手の時は試合の結果に悩んでいましたけど、(会長になった)今はコストに悩んでいます」。スポンサーの協力を得て、LEDでの演出の実現にこぎつけた。「選手時代にこういう雰囲気で試合ができたらいいなと、思っていた理想を実現させてもらっている。マイナースポーツだからと言って、お客さんがガラガラというのに慣れてはいけない」。より身近に感じてもらうための策として、今大会では敗退した選手や女子選手が観客席に赴き、ルールを解説する予定だ。

 7月の世界選手権個人男子フルーレで銀メダルを獲得した西藤俊哉(20=法大)は「団体でも個人でも目指すのは一番上。エジプトでのW杯開幕戦の反省を生かして、技の数を増やしてポイントを取る」と力強く意気込んだ。同大会銅メダリストの敷根嵩裕(19=法大)は「五輪までに金メダルを一つ取りたい。今大会は東京五輪と似たような状況でできる大会なので、成果を出すことが目標です」と語った。