伏見工・京都工学院が“最後の花園”を逃した。昨年4月の学校統合により、伏見工時代に入学した3年、京都工学院の1、2年が在籍。今季限りで「伏見工」の名はラストになる。前半は7-0とリードするも、後半は春の選抜で全国準優勝の京都成章に圧倒的に攻め込まれて3トライを許し、逆転された。15点差を追う後半ロスタイムにWTB藤井健太郎(3年)が意地のトライを挙げたが、反撃は届かなかった。

 泣き虫先生こと山口良治総監督(74)は「寂しいね。でも、最後まで諦めない、ネバーギブアップを見せることができただけでも良かった」と涙をこらえた。さらに「勝負をする以上は勝たないといけない。もっとキックを使って敵陣で試合をすることに徹底するべきだった」と指摘しつつ「(74年の就任当初は)100点以上を取られて負けた。負けても(部員は)悔しさもなく、見る人もいなかった。それから伏見工のラグビーの素晴らしさを見せることができた」と語った。

 学校名が京都工学院に変わっても総監督として残る方向で、赤と黒のユニホームも存続する方針。山口総監督は「伝統を引き継ぎながら、新しい歴史を築いていってもらいたい」と話した。