地元出身のルーキーが奮闘した。新潟アルビレックスBBは千葉ジェッツに81-90で敗れ、このカード2連敗を喫した。ホーム戦黒星の中、11月27日に入団したばかりの長岡市出身のSG今村佳太(21=新潟経営大4年)が10分52秒間の出場で5得点1アシスト。デビュー戦だった前日2日の7分34秒間で3得点から成績を伸ばし、5000人を超える地元の大声援に応えた。

 故郷の声援が今村を後押しした。第3クオーター(Q)残り1分2秒、速攻からPG畠山俊樹(26)のパスを受けてレイアップ。「先輩たちは、僕に落ち着いたプレーは求めていない。自分らしく思いきりいこうと思った」。これでこの試合5得点。デビュー戦だった前日1戦目の3得点を超えた。

 第3Q、レイアップにいく途中でパスを出すプレーが2回あった。「シュートの選択ミス。打たなければならない場面だった」。すぐに気持ちを切り替えて、得点につなげた。

 11月27日に新潟と契約し、28日から練習に合流。わずか5日目でプロデビューを迎えた。観客数は1戦目が4214人、2戦目は今季初の5000人超え。2日間を通し、新潟経営大バスケ部員のほか、友人や小、中、高校時代のバスケの恩師たちが応援に来てくれた。

 地元長岡のファンの熱い視線を感じてコートに立った。「でも、思ったより緊張しなかった」。1戦目より3分18秒、出場時間は伸びた。初アシストも記録。庄司和広監督(43)は「新人らしく躍動してくれた」と合格点を出した。

 昨年まで観客席から新潟の試合を見ていた。今年はそのチームでプレーしている。もちろん、それで満足はしていない。「2試合出ても勝てなかった。早く自分にとっての初勝利がほしい」。プロデビューの充実感よりも2連敗の屈辱が強い。それは、すでに新潟の一員になりきっている証明でもあった。【斎藤慎一郎】