女子でショートプログラム(SP)3位の宮原知子(19=関大)がフリー4位の138・88点と得点を伸ばせず、合計213・49点で5位に終わった。序盤のジャンプで3つの回転不足があり、3年連続の表彰台を逃した。左股関節疲労骨折からの復帰3戦目で立ち位置を確認し、18年平昌(ピョンチャン)五輪出場権を懸けた全日本選手権(21日開幕、東京)に向かう。合計223・30点の15歳、ザギトワ(ロシア)が優勝し、樋口新葉(16=東京・日本橋女学館高)は6位だった。

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 今大会での結果も五輪選考にかかわるため、日本の2人はここで「切符」に片手をかけておきたいという気持ち、世界のジャッジにアピールしたいという気持ちがあったはずです。それが、知らず知らず精神的な重圧になっていたのではないでしょうか。

 宮原選手は、ジャンプで3つの回転不足がありましたが、それ以外は取りこぼしがなく、全体的に力強さもあり、最後まで流れのあるいい演技でした。ジャンプは跳び急ぐことで、正しい姿勢を作れず、転倒や回転不足につながります。落ち着いて、いつもの宮原選手のタイミングで跳べれば問題はないでしょう。

 樋口選手は、特に中盤から後半にかけて勢いがありませんでした。ジャンプのミスが出たこと、大きな重圧の中ですべることで勢いも奪われてしまったように感じました。本来のパワフルで、スピード感あふれる滑りが出し切れなかった印象です。ただ、2人ともSP、フリーともに悪い内容ではありません。全日本選手権に向けて、ここで緊張感のある試合に出られたことは大きな収穫だと思います。(カルガリー五輪代表)