男子フリー2位は合計267・15点の田中刑事(23=倉敷芸術科学大大学院)。

 2位の田中が初の五輪代表に選ばれた。「小さい頃からの夢をようやくつかめた。先輩たちのように、心に残る演技を五輪の舞台で滑りたい」とリンク上で、力強く宣言した。

 11月のGP中国杯から全日本選手権までの間は試合に出ない分、練習量を2倍に増やした。時に日付が変わるまで滑り込んだ。普段は温厚な田中が、林コーチをにらみ返すほど苦しく、厳しい練習だった。この間、同門の先輩でバンクーバー五輪銅の高橋大輔さんの指導も受けた。この日のフリー、体力的にきつい、後半に組み込んだ4回転トーループを決められたのは、そうした努力の成果だった。

 「同期の(羽生)結弦も(村上)佳菜子もソチに行った。その枠に入りたい気持ちがあった」。友人で尊敬するスケーターでもある羽生とともに、夢の舞台に向かう。