全国高校総体8強の女子・開志国際(新潟)が初戦の2回戦で消えた。広島皆実に77-78の1点差で負けた。学校創設4年目で全国大会初戦敗退は初の屈辱。67-73の残り46・6秒からファウルプレーを仕掛けて粘ったが、届かなかった。エースのPF藤永真悠子(3年)がマークしたチーム最多の23得点も実らなかった。

 東京体育館のBコートでまさかが起こった。全国大会の初戦は負け知らずだった開志国際が初戦でコートを去った。学校創設4年目で初のつまずき。しかも、1点差の敗退だった。主将の藤永は目を真っ赤に腫らしながら「まだ、負けたということが分からない。終わった実感がない」と言った。

 終盤の第4クオーター(Q)3分に、58-68の10点差に置き去りにされた。硬さの見えた立ち上がりから、流れを呼び込めず、プレーは後手に回った。伊藤翔太監督(29)は「1対1で簡単に抜かれる。抜かれてもカバーに行かない。ボールマンへのプレッシャーも甘い。悪循環になったのは、そこから」と言う。

 ところが最後は、粘った。点差を少しずつ縮めていった。67-73で迎えた残り時間46・6秒。ファウルプレーを仕掛けて追いすがった。タイムアップ寸前には75-78。3点シュートが決まれば同点に追いつくチャンスだったが、プレーの選択を間違った。インサイドにいたセネガル人留学生のCサンブ・アストゥ(2年)にボールが入り、ゴール下からシュートを決めた。2点を加点して77-78としたものの、ゲーム時間は2秒しか残っていなかった。

 藤永は「最後まで戦う姿を見せたかった」と声を絞り出した。「まずは自分自身に。ベンチに入れなかった仲間にも」と続けた。「ぜんぜんダメ」な調子ながら23得点を積み上げ、気を吐いた。単独チームで出場した国体を含め、全国大会は4大会連続で8強入りしていたチームは、今回で全国上位常連が途絶えた。創部初の全国大会初戦敗退の屈辱も味わった。「詰めの甘さがこの点差になった」。藤永の言葉は、立て直しを図る新チームの教訓になった。【涌井幹雄】