2メートルの壁は、高かった。東海大札幌は中部大第一(愛知)に、あと5点届かず、70-75で惜敗した。長身の海外留学生コンビを擁する優勝候補の一角に、互角の展開。第2クオーター(Q)途中に一時、11点リードしたが、第3Qで逆転され、3年ぶりの16強はならなかった。

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 あと1歩だった。70-73の第4Q。東海大札幌は残り20秒を切った最後のワンプレーで、延長につながる3点シュートを狙った。3Pライン手前で長尾光輝主将(3年)が相手選手3人に囲まれ、ボールを奪われた。再び攻めるため、ファウルゲームに持ち込んだ。フリースローを2本を決められ、試合終了のブザーが鳴った。「悔しいです」。長尾主将の目は真っ赤だった。

 高さと戦った。スタメンの平均身長は、中部大第一より5・4センチ低かった。ゴール下に立ちはだかる203センチのディアイエ(3年)205センチのクリバリ(1年)の圧倒的な存在感。大会規定で同時出場できないとはいえ、海外留学生対策として、直前合宿で大学生らと練習試合を行った。2メートル級の選手のプレーを体感していた175センチの長尾主将は「予想以上のところからブロックされた」と振り返った。

 取られたら、取り返す。最後まで果敢に攻め続けた。長尾主将と柴田京哉(3年)の鋭いドライブは、何度もファウルを誘った。相手と同じ22本の3Pシュートを放ち、倍の8本を沈めた。第4Q残り6分まで1ゴール差のシーソーゲーム。最後のもう一押しが足りず、5点差、75失点で力尽きた。佐々木陸巳監督(52)は「守備は良かった」と選手の奮闘をたたえた。

 体格差のある相手に一切の小細工なし。がっぷり四つで組み、今夏の総体8強に食らいついた。「一体感を持って戦えた。後輩に東海のバスケを見せられたと思う」と長尾主将。チームの前進に必要な、貴重な糧となった。【西塚祐司】