日本女子期待の若手が五輪を大きく引き寄せた。安藤麻(21=東洋大)が1本目最速の54秒68をマークすると、2本目も手堅くまとめ合計1分50秒57で、女子回転4連覇を達成。平昌五輪代表に大きく前進し「ほっとした後に、うれしさがこみ上げてきた」と、右手を大きく突き上げた。

 10月にオーストリアで行われた今季W杯大回転の開幕戦で2本目に残り、初めてW杯得点(30位以内)を獲得した。柔道をしていた父弥(わたる)さんは天理大時代に、明大・小川直也と同学年でしのぎを削った。169センチ、63キロと大柄な体格を受け継ぎ、皆川賢太郎競技本部長は「(将来)第1シード(上位15人)に入れる逸材」と絶賛だ。

 母奈保子さんでさえ「頑固で変人」というほど我が強い。「小さい時から1人が平気でマイペース」。スキーのことだけを考えてきた頑固一徹の思いが、初めての五輪を導こうとしている。【吉松忠弘】