シード校の石見智翠館(島根)が43-33で常翔学園(大阪第3)を下し、初戦を突破した。

 後半21分、33-33の同点にされたが、石見智翠館は慌てることはなかった。同24分、左サイドで相手がノックオンして、スクラムを得た。組む前にFW陣で円陣を組み「FWで行くぞ。このままじゃ、春の全国選抜で負けたときと一緒だぞ」と気持ちを奮い立たせた。スクラムでボールをキープすると、最後尾のNO8斎藤龍夜主将(3年)が左サイドの狭いエリアを攻めた。ラックからモールを作り、5メートルを押し込み、斎藤主将が勝ち越しのトライを決めた。同27分にも、モールでトライを奪い試合を決めた、優勝回数5回を誇る常翔学園を破り安藤哲治監督(44)は「つかれました。FWの我々と展開力の常翔学園さんとで、両極端な試合でした。FWが頑張ってくれました」と振り返った。

 試合は石見智翠館のキックオフで始まり、敵陣深くに蹴りこんだ。開始20秒でボールを奪うと、ラックで常翔学園が反則した。左サイドゴールまで5メートルの位置でラインアウトの好機をつくった。モールでゴールに迫り、最後は斎藤主将が左サイドを抜け出し、開始1分で先制トライを決めた。この日4トライを挙げた斎藤主将は「1本目のモールで行ける自信が持てた。今年は身長、体重もあるのでこだわってきた。1年間鍛えた成果が出せた」と7トライ中5トライがモールを基点とし、終始FW戦で圧倒していた。

 元日の3回戦は今大会で初のシード権を獲得した日本航空石川(石川)と対戦する。安藤監督は「強力なランナーがいるので、タックルの精度を上げて、準備していきたい」と話した。