福島県勢で21年ぶりに年を越した郡山北工が、最後に意地を見せた。

 前回大会覇者の東福岡に101点を失い、完封負け寸前の後半ロスタイム。プロップ伊藤秀(3年)がゴール直前の左中間ラックから左に抜け出してトライを決め、一矢を報いた。土佐塾(高知)との2回戦でも後半ロスタイムにトライを決めて抽選に持ち込んでおり、小野泰宏監督(48)は「本当によく頑張った。力では追い付かない相手に自分たちのできることをやろうと。何点取られてもいいから、トライを取りに行こうって試合前に話してました」と明かした。

 最後はBKも密集に参加する形でのトライだった。3大会連続で花園に出場しているが、過去2大会はともに完封負けに終わっていた。伊藤は卒業後、就職して第一線から退く。「東福岡は今まで体験したことのない強さだった。個人の強さやパス回しがうまい。土佐塾の分までトライは2本取りたかった。今日、最後にトライを取って終われた。締めくくれた」と胸を張った。