桐蔭学園(神奈川)がまたしても決勝の壁に泣いた。大阪桐蔭(大阪第1)に7-12で敗れ、2大会連続準決勝敗退となった。後半ロスタイムに8分間、63回に及ぶ連続攻撃を繰り広げたが、ゴールまで1メートル届かず、最後は反則を取られて力尽きた。

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 同点まであと1メートルだった。7-12で迎えた後半ロスタイム。ラインアウトの相手のミスからボールを奪い、フロントローの3人を中心に押し続けた。ミスすれば終わりのプレッシャーの中、連続攻撃は8分間続き、敵陣ゴール前1メートルまで迫った。連続攻撃の回数が実に63回に及んだところで審判の笛が鳴った。ノットリリースザボールの反則を取られて無情のノーサイド。初の単独優勝を狙った桐蔭学園の花園が終わった。

 最後までFWにこだわって戦い抜いた。ロスタイムもボールを回さず、主将でフッカーの原田、プロップ山本、細木の高校日本代表候補のフロントローで泥臭く押し続けた。原田は「FWでコツコツ押して勝負しようとしたけれど、トライできなかった」と肩を落とした。

 原田には「優勝」へのこだわりが人一倍あった。昨年2月、練習中に相手の肘が当たり、眼窩(がんか)底骨折。初優勝した4月の全国選抜も出られなかった。花園は1年2位、2年3位。今年は63回を数えた連続攻撃でも決勝は届かなかった。後輩たちに向け「自分たちが越えられなかった壁を越えてより厳しく激しいラグビーをしてくれると信じている」と悲願の単独優勝を後輩たちに託した。【戸田月菜】