テニスの4大大会、今季初戦、全豪オープン(メルボルン)が開幕。昨年3月のマイアミオープン2回戦で、左ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂をして以来、約10カ月ぶりのツアー本戦出場となった世界168位の西岡良仁(22=ミキハウス)がシード撃破の金星で復帰戦を飾った。第27シード、同29位で12年ウィンブルドン8強のコールシュライバー(ドイツ)を6-3、2-6、6-0、1-6、6-2の2時間39分のフルセットで下し、2回戦では同76位のセッピ(イタリア)と対戦する。

 今大会は右手首のけがで欠場している錦織圭以外の日本男子が、4大大会でシードに勝ったのは、74年全仏1回戦で神和住純が第5シードのスミス(米国)を破って以来44年ぶりのことだ。

 西岡は、安定したストロークと、相手のタイミングを外す独特のリズムで、強豪から常に先手を奪った。その度に追いつかれるが、「(けがをした時期の)いいイメージが残っていた」と、最終セットは一気に4-0とリード。そのまま押し切り、マッチポイントで相手のバックがアウトになると両手で顔を覆った。

 けがをした後に手術し、5月以降、リハビリに入った。下半身が使えないため、いすに座って球を打ったり「本当にリハビリがつらかった。その分、うれしい」。昨年の11月から、コート1面を使っての練習が可能となった。最初の実戦形式の練習で、早大の学生に1ゲームしか奪えずに敗れた。「めちゃくちゃ悔しかった」。しかし、周りは、その悔しがり方から「西岡が戻ってきた」と喜んだ。

 2週前にツアー下部大会に出場し、1回戦で敗れたが、約10カ月ぶりの実戦復帰を果たしていた。