岩渕香里(北野建設)勢藤優花(北海道ハイテクAC)伊藤有希(土屋ホーム)高梨沙羅(クラレ)の平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)代表メンバーで臨んだ日本が、2回合計761・7点で優勝した。1回目に2番手の勢藤でトップに立つと、2回目も4人が好ジャンプをそろえ圧勝。W杯で初実施された昨年12月の第1戦に続き2連勝を飾り、今日21日の個人戦へ勢いをつけた。

 アンカーの高梨が着地すると3人が飛びだした。3番手の伊藤の時点ですでに大差でトップ。電光掲示板を見るまでもなかった。一番上にJPNがともると大歓声が上がり、ファンの視線の先に4人の笑顔の輪ができた。表彰式では祝福の花火が上がりまさにお祭りムード。非五輪種目だが、昨年12月に初実施された種目で2連勝を達成。4本の矢で上昇気流を作った。高梨は「団体戦は感動が倍増する。あらためて勝つっていいな」と久々の勝利の味をかみしめた。

 1回目の2番手で飛んだ勢藤が、85・5メートルでその回トップで2位から首位に引き上げると勢いが生まれた。続く伊藤、高梨が上々のジャンプで1位で折り返す。2回目も4人が自分の役割をこなし、2位以下を突き放した。伊藤は「(前の)2人の貯金があったから余裕を持って臨めた。ジャンプは少しずつ良くなっている」と満足げだった。

 悩める2枚看板が復調のきっかけをつかんだ。高梨、伊藤は前日19日の個人戦で4、5位。今季はレベルを上げてきた外国勢の前に後塵(こうじん)を拝してきたが、この日は3番目に飛んだ伊藤が2回目に95メートルの大ジャンプ。4番手の高梨も2回目こそ89メートルだったが、1回目は93メートル(その回2位)で、ゲートを2段下げて飛んだルンビが失敗ジャンプ(その回3位)だったとはいえ、今季5勝を挙げるライバルに初めて“勝利”した。

 復活の糸口を見つけ、今日21日の個人戦、そして平昌五輪につなげる。高梨は「いい流れで(蔵王の)最終戦に入りたい」。2枚看板で怪物ルンビを追いかける。【松末守司】