男子プロバスケットボールのレバンガ北海道が、不祥事防止へ迅速に対応した。25日、札幌・北海きたえーるで27、28日のアウェー栃木2連戦に向けた練習をメディアに公開。大麻取締法違反容疑によるグレゴリー・ウィッティントン元選手(24)の逮捕発表から一夜明け、全選手対象のドーピング講話会を実施。薬物検査キットを手配するなど指導した。新外国人選手獲得へも動き出す。

 所属選手逮捕という異例の事態に、まずはクラブ内の動揺を鎮めるのが先決。この日午前、横田陽CEO(41)は、日本アンチドーピング機構アスリート委員で元サラエボ五輪スピードスケート日本代表の鈴木靖氏(55)のもとを訪問。ドーピング講話会の実施を依頼し、午後の練習後の開催に間に合わせた。鈴木氏は、ライバル選手の飲料に禁止薬物を混入したカヌー日本代表や、ロシアの国家ぐるみの疑惑などを例に挙げ、約30分かけて禁止薬物に手を出すことの危険性を説いた。

 クラブは所属全選手の薬物検査実施も決定。検査キットの発注も済ませた。ウィッティントン容疑者は昨年7月に米国から移籍加入し、ここまで18試合に出場し貢献していた。横田CEOは「ドーピングも昨日の(大麻の)件も、心の弱さから来るもの。たった1人の、たった1回の行動が、周りの積み重ねたものを全部なくしてしまう。真のアスリートとして、気持ちの強さを持ってほしい」と語りかけた。また「当然、動いている」と、同容疑者に代わる新外国人選手を複数人リストアップしていることも明らかにした。

 明日27日からの昨季王者・栃木との2連戦に向け、今日26日の練習後に移動する。現在東地区5位。2連敗すれば、栃木に抜かれ同地区最下位転落の可能性もある。エースのマーク・トラソリーニ(27)は「前を向いて進んでいくしかない」と言った。「(203センチの容疑者逮捕で)サイズ感が小さくなるのは間違いない。それでも目の前の試合に集中し、ぶれることなく戦う」と水野宏太監督(35)。逆境を力に変え、勝利をつかむ。【中島洋尚】