記録達成で復活を果たす。B1中地区5位の新潟アルビレックスBBは3、4日の第18節、同6位の横浜ビー・コルセアーズとホームのアオーレ長岡で対戦する。シューティングガード(SG)城宝匡史(35)が通算3点シュート成功数1000本に、あと1本と迫っている。名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦(1月20日)で王手をかけた後、3試合足踏み中。その間、チームは前節(1月28日)で同首位シーホース三河から初勝利を挙げるなど勢いがつきつつある。ホームで区切りの記録をクリアし、自身とチームを上昇気流に乗せる。

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 城宝の両腕がしなやかに伸びた。練習の仕上げ、5対5の試合形式。左45度の位置から3点シュートを華麗なフォームで決める。それ以外にもライン際の角度のない位置からリングを正確に捉える。

 「記録は全然気にしていないですよ」。いつも通り自然体だ。名古屋D戦で999本としたが、その後の3試合で3点シュートはゼロ。その3試合中2試合が無得点。「シュートの好不調の波が大きい」。西宮戦(昨年12月9日)で10本の3点シュートを決めた。当たる試合もある。そんな自身の現状は把握済みだ。

 東京戦(昨年10月9日)で左手親指を負傷した。以後、試合ではサポーターで患部を固めてプレー。3カ月以上経過したが、ボールをキャッチしたときに痛みが走るときもしばしば。万全な状態ではない。

 それを言い訳にはしない。「痛めても、試合に出るからには覚悟している」。練習、試合中に痛そうなそぶりは一切見せない。シュートが外れても、すぐに気持ちを切り替えて次のプレーに向かう。

 05-06年に旧bjリーグの大阪に入団し、今季で13年目。積み重ねてきた3点シュートは代名詞にもなった。今季移籍してきた新潟でも期待値は高い。その分、現状に歯がゆさはあるが、常に前を向く。

 前節三河戦の2戦目では1アシスト4リバウンド。この試合で3点シュート6本を決めたポイントガード(PG)五十嵐圭(37)らに迷いなくパスを供給した。「勝つために当たっている選手を使うのは当然」。横浜戦でも第一に考えるのはチームの白星だ。

 その中で持ち味を出す。「プレーの流れで、オープンで打てる場面があったら」。記録達成と勝利につながる重要な1本。それをイメージして伝家の宝刀を抜く。【斎藤慎一郎】