昨年9月のカヌー・スプリント日本選手権でドリンクに禁止薬物を混入される被害にあった小松正治(26=愛媛県体協)が、資格停止処分解除後の復帰レースを迎えた。

 この日小松は男子カヤックシングル(1人乗り)500メートルに出場し、予選、準決勝ともに首位で決勝に進出。決勝では3位争いに惜しくも敗れたものの、1分47秒175の4位で復帰レースを終えた。

 小松は約5カ月ぶりのレースを終え「予選では体力的にきつかったので決勝まで心配だったけれど、リラックスして臨めた」とほっとした表情だった。昨晩はレースに向けてじっくりと考え込み、「スタートラインに立てることに感謝だなと思った」。実際に予選スタート前には「やっと戻れたな、と感じた」との心境を明かした。

 小松は、自身の飲料を予選から決勝までの3レースすべてで「ドリンク保管所」に預け、管理を徹底。「預けることで安心してレースができた。もっと気をつけるようにしないといけないなと思っている」と言う。

 31日には仁川アジア大会で3位入賞の経験もある得意種目、男子カヤックシングル200メートルに出場する。「カヌー界の悪いイメージを、結果を出すことで良いイメージに変えていきたい」と頼もしく言った。