世界39位の錦織圭(28=日清食品)が、今季クレーコート初戦を、逆転で突破だ。同18位のベルディハ(チェコ)を4-6、6-2、6-1のフルセットで下し、「2セット目からはラケットも振り切れた」と、第2セットからは圧倒した。2回戦では同49位のメドベージェフ(ロシア)と対戦する。18位は、錦織が右手首のけがから復帰した今季、勝った相手の最高位となった。

 錦織は、「まだクレーの戦いで体がついて行かない」と、第1セットの第2ゲーム、自分の最初のサービスゲームを失い、4-6で落とした。しかし、第2セットの序盤を食らいつき、相手のサービスの不調につけ込んだ。1-2から7ゲームを連取。そのまま押し切った。

 今大会は、12年以来6年ぶり2度目の出場となる。この大会だけマスターズの出場義務がなく、過去、出場を見送ってきた。しかし、今年は、まだ試合数が少ないため、出場に踏み切った。

 不安が残るのは、第2セット途中で、トレーナーを呼んでマッサージを受けた右手首だ。「治療してみないと分からないが、様子を見ながらやりたい」。錦織は、昨年8月に右手首の腱(けん)を脱臼。半年近くツアーから離脱した。今年の1月下旬に復帰して5大会に出場したが、痛みは出ていなかった。