女子テニスの国別対抗戦フェド・カップ(フェド杯)が、札幌・北海きたえーるで初開催される計画があることが29日、明らかになった。札幌テニス協会が早ければ来年19年の招致を目指しており、実現すれば、世界ランキング22位と躍進する大坂なおみ(20)擁する日本代表の試合を観戦できる。20年には、15年以来となる男子の札幌国際オープンを、男子プロテニス協会(ATP)のチャレンジャー大会として復活させるプランもあり、28日にオープンした札幌平岸庭球場で実施する構想もある。

 世界のNAOMIのプレーを札幌で-。3月に日本女子で初めて4大大会に次ぐグレードのBNPパリバオープンを優勝。今月22日には、フェド杯で日本代表を14年ぶりのワールドグループ復帰に導いた大坂の勇姿が、早ければ来年にも道内で見られる。札幌テニス協会の八木知徳会長(69)は「大坂さんの母は北海道出身。フェド杯を開催して道内に住む祖父母の前でプレーさせてあげたい」と話す。

 会場は屋内の北海・きたえーるを予定。20年前に札幌で開催された男子のデビス杯と同様に、国際試合で利用可能なコートを外部から引き込む。当時の日本代表で、28、29日と札幌市庭球場のオープニングイベントに参加した鈴木貴男(41)は「地元で代表戦を戦うのは、非常にうれしかった。ジュニア世代の刺激にもなるので、ぜひ開催してほしい」、フェド杯に6度出場した小畑沙織(40=ヨネックス、札幌市出身)も「地元の声援は大きな力になるはず」と歓迎する。

 同協会では、今夏にも「大坂なおみ応援団」を発足。4大大会出場時などに道内でパブリックビューイングを企画し、フェド杯開催に向けた機運を高める。現在札幌出身の内山靖崇(25=北日本物産)が代表にいる男子のデビス杯も積極的に招致する。錦織圭(28=日清食品)、大坂と、男女の2枚看板が道内で試合をする期待も膨らむ。札幌藻岩高時代に国体少年男子で優勝したタレント杉村太蔵(38)も、この日鈴木らとイベントに参加し「どんどん国際大会をやって盛り上げて」と期待した。

 15年まで札幌中島公園で開催されていた札幌国際オープンも、早ければ2年後の20年にも札幌市平岸庭球場で再開される。当時はツアー最下位のITFフューチャーズだったが、ATPのチャレンジャーもしくはツアーに国際カテゴリーを上げる。「札幌をテニスの町として活性化できれば」と八木会長。ビッグイベント招致で、道内のテニス熱を一気に沸騰させる。

 ◆フェド杯 63年に「フェデレーションカップ」として始まった女子テニスの国別対抗戦。年1回開催。ワールドグループ16カ国と地域ゾーンで構成。ワールドグループは8カ国ずつの1と2に分かれ、グループ2の1回戦勝者とグループ1の1回戦敗者が、翌年の1の座をかけ、入れ替え戦を行う。対戦は単4試合、複1試合で行われ、3勝した国が上位トーナメントに進出する。日本代表は22日のプレーオフで英国を3-2で下し、地域ゾーンからワールドグループ2に14年ぶりに復帰した。男子の国別対抗戦デビス杯は、98年に札幌・月寒グリーンドーム(閉場)で開催されている。