男子テニスで、世界82位のダニエル太郎(25=エイブル)が、先週のイスタンブールオープンで、日本男子4人目のツアー優勝を成し遂げた。優勝後初めて、日刊スポーツの独占インタビューに答えた。

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 -新しいトレーニング法を取り入れている

 ダニエル お父さんがアムステルダムで見つけたやつ。MMA(総合格闘技)のコナン・マクレガーとかがやっている。体操とかヨガとかダンスとか、いろんなものを一緒に合体したような感じ。でも、そのトレーニングは、これを使って、そのスポーツがすごく強くなるとかという考え方じゃなくて、自分の人生のクオリティーを高めるための動きを学ぶもの。

 -体は強くなった

 ダニエル 味の素ナショナルトレセンで、フィジカルテストをすると、僕の体は、テニスのスペシャリストの動きはいいけど、ほかのものは全然だめだった。普通の、ベーシックな体力測定の部分があまりよくなくて。例えば、今まではスクワットとか普通にできない。和風便器とかに座るポジションとかできなかったんですけど、今、僕、できるんですよ。それって、すごくでかい。自分の体の重さを使って、少し柔軟性を混ざっているような動きを使うと、テニスにはすごくいいと思う。

 -今後、コーチは

 ダニエル 固定のコーチは、もちろん決めたいですけど、それほど焦っていない。(日本テニス協会の)ナショナルチームもサポートしてくれると思うし、できればそれを使いたいと思う。彼らが行けない時は、お父さんがこれから来られるようになるかなと。

 -理想のプレーは

 ダニエル ジョコビッチ(セルビア)が強かった時の感じ。ジョコビッチとかマリー(英国)とか、ベースラインからすごい強いけど、(ネットプレーの)ボレーでも終わらせられる。サーブもすごくいいし。僕はフェデラー(スイス)が好きなんですけど、ジョコビッチが1番強かった時のテニスが、今までの歴史の中で、1番強かったレベルだと思う。ああいう感じのテニスを目指したいと思います。

 -今年の目標は

 ダニエル トップ100は心配せずに年は終わりたい。それだけが結果の目標。ほかは、とにかくテニスを上達させていって。そうすれば、また絶対にツアーでいつかいい結果が出てくると思う。冷静に冷静に、今までやってこれなかったことを、どんどん積み重ねて行ければいいかなと思います。(完)

 

 ◆ダニエル太郎(だにえる・たろう)1993年(平5)1月27日、ニューヨーク生まれ。7歳でテニスを始め、09年プロ転向。14歳で日本からスペインに移住した。14年に日本代表デビュー。16年リオデジャネイロ五輪で3回戦に進んだ。英語、スペイン語、日本語に加え、ロシア語もマスター。父が米国人のポール・ダニエル氏。母が日本人の泰江(やすえ)さん。妹の可菜さんもテニス選手。190センチ、76キロ。