世界ランキング11位のラグビー日本代表は今日9日、大分銀行ドームで同14位のイタリア代表と対戦する。8日は試合会場で最終調整を行い、相手の強固なFWを想定して攻守を確認した。韓国出身で学生時代に大分県で育ったプロップ具智元(グ・ジウォン、23=ホンダ)は「第2の故郷」での勝利を誓った。

 気温25度、湿度89%。ドームの屋根が閉められ、蒸し返すグラウンドで日本は約1時間、最終調整した。報道陣に公開された冒頭15分はボールを使わず、エリアでの連係を口頭で確認。公開後もラインアウトの確認などで準備を終えた。フランカーのリーチ主将(29=東芝)は「FWがポイントになる。目をつぶっても出来るぐらい戦術は理解出来ている」と胸を張った。

 イタリアは伝統的にFWが強く、19年ワールドカップ日本大会1次リーグで対戦する同2位のアイルランドと同5位のスコットランドの前哨戦と位置づける。日本は14年にイタリア相手に初勝利を挙げた。その試合でスクラムに自信を深め、15年W杯の3勝につなげた。

 4年前を再現するため、スクラム最前列を務める具が燃えている。183センチ、122キロと先発メンバー最重量で、スクワットはチーム一の240キロを誇る。「アジア最強プロップ」と呼ばれた元韓国代表の東春(ドンチュン)さんを父に持ち、英才教育を受けて小6でニュージーランドへ留学した。中3から4年間大分県で過ごし、この試合には特別な思いがある。

 「故郷で成長した姿を見せて、強みであるスクラムで勝つ」。流ちょうな日本語を話す23歳は「イタリアの勝利がW杯への自信につながる。勝って大好きなとんこつラーメンを食べたい」と地元での勝利を誓った。【峯岸佑樹】

 ◆具智元(グ・ジウォン)1994年7月20日、韓国生まれ。元韓国代表の父・東春さんから英才教育を受けて小6の時、ニュージーランドに留学。大分・日本文理大付高-拓大-ホンダ。呼び名はグーくん。日本代表キャップは2。好きな食べ物は豚肉と鶏肉。趣味は昼寝。183センチ、122キロ。血液型O。