大坂フィーバーの幕開けだ! テニスの4大大会、全米オープンで、日本選手初のシングルス優勝を遂げた世界7位の大坂なおみ(20=日清食品)が13日、凱旋(がいせん)帰国した。

羽田空港に早朝の午前4時半に到着したにもかかわらず、約50人のファンが迎え、その後は帰国会見、日産自動車のブランドアンバサダー就任会見など大忙し。17日開幕の東レ・パンパシフィック・オープン(東京・立川)では国内初優勝を狙う。

まだ日の出も間に合わない午前4時半。歴史をつくった新女王が、羽田空港の到着ロビーに姿を見せた。凱旋した大坂の最初の姿は、大きなめがねに、首にはヘッドホン。黒い野球帽をかぶり、ボーダーのワンピースはミニスカートだった。

そのまま会見場の横浜市内のホテルに直行した。今度は上下黒のツーピースでパンツスタイルに変身。帰国会見に詰めかけた報道陣は、61社157人、テレビカメラ25台。大坂は「すごくたくさんの人。信じられない」と驚くばかりだ。

それでも笑顔を作り「来ていただいてありがとう」。北海道根室市に祖父の鉄夫さんが住んでおり、北海道地震が起きたことに触れ「お見舞い申し上げます」と心配した。この日、最初の日本語も飛び出した。「抹茶アイスは食べたか」と聞かれると「食べなかったぁ~」と日本語で残念そう。続いて「今、眠い」と日本語で応じた。

今度は車で10分ほどの距離にある日産自動車に移動。契約会見には250人を超す報道陣が押し寄せた。星野専務執行役員が「日産にはセレナという車がある」と、全米女子決勝で対戦したセリーナにかけると「ナオミという車を造りますかね」と豪華な提案をした。

大坂のお気に入りは「GT-R」。理由は日本語で「速い」。星野専務執行役員からは「GT-R差し上げます」とビッグなプレゼントを確約された。帰国早々、イベントの嵐が待ち受けた。しかし、17日からの東レには「ベストを尽くしたい」。そして、年末に「トップ5に入りたい」と日本女子最高位4位を持つ伊達公子超えも視野に入った。【吉松忠弘】