スポーツ庁の鈴木大地長官(51)が12日、宮城・柴田町の仙台大を視察に訪れた。東北でスポーツ教育の総合拠点となる同大で室内温水の震災復興記念プールなど、最新鋭の施設を見学して回った。

中でも関心を強くしたのが、国内では数少ないリュージュやスケルトンなど冬季競技の練習施設である「プッシュトラック」。2007年8月に日本の大学では初めて完成した本格的施設で、高低差のある全長82・5メートルのコースでは、本番に近いスタート練習が可能だ。仙台大は84年のサラエボ大会から、18人の五輪選手を輩出している。

鈴木長官も同大の関係者に促され、2人乗りボブスレーに試乗。最初は恐怖心が交じったような表情だったが、スタートすると満面の笑み。「体験としては楽しかった。冬の五輪競技ですので、もっと多くの人が競技者を目指すことが望ましい。こういう施設は財産。この地域だけでなく、日本の普及の起爆剤になってもらえればうれしいです」と、スピード感を堪能していた。