今季最多得点で、長いトンネルを抜け出した。レバンガ北海道は、中地区3位の富山グラウジーズに94-91で競り勝った。前半7点差をつけられたが、第4クオーター(Q)中盤に逆転し、振り切った。ホームでは開幕2戦目10月7日大阪戦以来の白星。連敗を8で止め、5日に就任した内海知秀監督(60)の新体制で初勝利をつかんだ。通算成績は5勝16敗。依然として東地区最下位と苦しいものの、ここから上昇気流をつかむ。

待ちに待った白星に、だれもが笑顔を取り戻した。約1カ月ぶりの勝利を告げるブザーが鳴る前から、ベンチでは選手が立ち上がり、その瞬間を待っていた。日本人最多14得点の折茂武彦選手兼社長(48)はマイクを手にし「久しぶりの勝ちを、これだけたくさんの人に届けられたので良かった」と、集まった3903人のファンと喜びをかみしめた。

序盤は劣勢だった。第1Q開始5分過ぎには12点差つけられた。だが、直後に折茂が2連続3点シュートでワンサイドゲームの流れを止めた。第2Q序盤の13点差でも再び3点シュートで差を詰めるなど、この日3点シュート4本全てを決めた。本来の動きを取り戻したレジェンドは「僕自身チームに貢献できる活躍がほとんどできなかった。今日、シュートを決められたことはうれしい」と納得の笑顔だ。

後半に富山のシュート成功率が落ちる中、北海道が第4Q中盤に逆転。そこからは、一進一退が続いた。終盤には5ファウルでデイビッド・ドブラス(37)と松島良豪(26)が退場したが、コート上の選手は最後までルーズボールに飛び込んだ。「今日は我慢強さが勝因」と内海監督。桜井良太(35)は「内海さんが難しい状況で引き受けてくれた。何とか勝たせなければいけない」と振り返った。執念でもぎ取った白星だった。

これで通算5勝16敗。残る39試合へ、多嶋朝飛主将(30)は「今日みたいにしっかりチーム全員でやるべきことをやり続けていけばこういう風にチームで勝てることは自信にして良い」と力を込めた。中2日で12日には敵地で2位千葉戦が待つ。「1つずつチームは成長していかないといけない部分はある。もう少しディフェンスを修正して頑張っていきたい」と内海監督。生まれ変わったレバンガが、ここから白星を積み重ねる。【浅水友輝】