女子62キロ級はリオデジャネイロ・オリンピック(五輪)女子63キロ級金メダル川井梨紗子(24)の妹の友香子(至学館大)が制した。

決勝を戦う川井友には、しっかりと姉の声が届いていた。翌日に伊調との決戦を控えた梨紗子。減量もあり、決勝前に「帰るかも」と言っていたが、スタンドから背中を押してくれた。「マットにあがる前に顔が見えて、心強かった」。何度も対戦経験がある熊野に対し、序盤は慎重だったが第1ピリオドにバックを取って3-0に差を広げ、危なげなく勝ちきった。

階級を62キロに上げたのは、姉の提案だった。姉妹での東京五輪出場を目指し、若く体格も大きくなる可能性がある妹が62キロ級を主戦にした。朝晩のプロテイン摂取や食事量増などで肉体改造に励む。優勝で夢へまずは近づき、「内容はどうあれ、明日の梨紗子にバトンパスできて良かった。悩んでいるのをみてきたけど、やれることはやってきている。サポートします」。今度は自分が背中を押す番だ。