16年ぶり3度目出場の東海大相模(神奈川)が、2-0(25-20、25-13)で富山第一にストレート勝ちした。1年生エースの西山大翔(ひろと)が試合の流れを呼び込む強打で勝利に貢献した。

第1セット、東海大相模は19-11から7連続失点で1点差まで詰め寄られた。そこでチームを救ったのが西山だった。自らボールを要求し、バックセンターから高い打点で打ち込んだスパイクが相手コートに突き刺さる。さらにレフトからクロスに打ち抜いて連続得点を決め、悪い流れをストップした。

「緊張してミスが多かったです。でも、勝ててよかった。ホッとしました」。高校初の全国大会を白星で飾った西山は、はにかむように言った。そんな1年生のウイングスパイカーを三上稔監督は優しい目で見守っている。「将来は日本を背負うような選手になれる。たとえミスをしても気にすることなく、思い切ってプレーさせています」。193センチ、74キロ。まだまだ線は細いが、高い打点から打ち下ろすスパイクで神奈川県予選制覇の原動力になった。

南足柄市立岡本中1年まではサッカー部のDF。「ちょっとトラブルがあって」退部し、半年ほど“帰宅部”生活を送るうちに身長がグングン伸び始め、2年になって両親、兄がやっていたバレーボールを始めた。一緒に東海大相模に進学し、現在はミドルブロッカーの榎本航己(194センチ)とのダブルエースを組み、3年時は春夏の県大会を連覇し、全国大会ベスト16。県選抜メンバーとして都道府県対抗中学大会でも活躍した。

キャリアは2年あまり。「神様からバレーボール界への贈り物」といわれる逸材は、今大会に出場している東福岡の1年生、U18日本代表の柳北悠李のことも当然気にしている。「パワーでは負けているので、高さとテクニックで勝てるようにしたいです」。東福岡と対戦するには決勝に勝ち上がるしかないが、6日の2回戦で連覇を狙う強豪・鎮西(熊本)と対戦する。「しっかり準備して自分のプレーをしたいです」。西山は燃える思いを隠すように淡々と言った。【小堀泰男】

◆西山大翔(にしやま・ひろと)2003年(平15)3月4日生まれ、神奈川県出身。小学校時代はサッカーに打ち込み、FW、GK、DFを経験。南足柄市立岡本中1年まではサッカー部でDFだった。その時の身長は165センチだったが、2年からバレーボール部に移って卒業時には191センチに。現在193センチ、74キロ。最高到達点340センチ。