世界9位の錦織圭(29=日清食品)が、3年ぶり4度目のベスト8をかけ、21日の4回戦で同23位のパブロ・カレノブスタ(スペイン)と初対戦だ。この日、約40分ほど、ボティーニ、チャン両コーチと軽く打ち合い、ショットの確認を行った。同4位の大坂なおみ(21)は約10分ほど打って引き上げた。

練習会場の21番コートが、ファンでごった返した。観客が誰でも取り囲めるコートで、錦織が練習に登場。ヒッティングパートナーを用意せず、ボティーニ、チャンの両コーチと、約40分ほど、ショットの確認にとどめた。練習後は、気楽にファンからのサイン攻めに応え、余裕を見せた。

4回戦のカレノブスタとは初対戦となる。現在のトップ50の中で、まだ対戦していない8人の1人だ。しかし、大会前に実戦形式の練習をしており、過去も練習の経験がある。ボティーニ・コーチも「圭は自分のテニスをすれば大丈夫。ただ、相手はファイターだから、そこは気をつけたい」と話した。

現在のトップ50と錦織が初対戦したときの通算勝敗は29勝12敗。その内、現時点で錦織よりランクが上の8位以内には2勝6敗と大きく負け越す。逆に格下のトップ10以下だと、27勝6敗と勝率は跳ね上がる。6敗もそのうちの2敗はケガをしている状態での敗戦。健康体では、トップ10以下の初対戦でほぼ負けていないことになる。

カレノブスタは錦織と同じくストロークを基本としたタイプ。3回戦後、「ラリーが長くなるのは覚悟している」と話した。ただ、ラリー戦は錦織も最も得意とする。「まずはベスト8に進むこと。そして、今年はそれ以上に行きたい」。大会前にそう話した目標に向け、まずは初対決を制する。【メルボルン(オーストラリア)=吉松忠弘】