新潟アルビレックスBBが連勝を8に伸ばした。今季初の延長の末、87-85でライジングゼファー福岡に競り勝ち、中地区首位をキープした。74-74で迎えた5分間の延長戦、Cダバンテ・ガードナー(27)が85-85の残り20秒から決勝の2点シュートを決めた。延長戦でチームが挙げた13点のうち12点をマークする奮闘ぶりで、この試合のMVPを獲得した。

本領を発揮した。ガードナーが接戦に決着をつけた。85-85で迎えた延長の残り20秒。福岡のCベンジャミン・ローソン(23)のブロックに遭いながらも、懸命にリングを捉えて勝ち越しのシュートを決めた。その後の福岡の攻撃を抑えると、チームメートとタッチをしながら笑った。

延長の残り2分41秒でフリースロー2本を決めたのを皮切りに、決勝の87点まで1人で10連続得点を挙げた。「みんながボールを集めてくれた。自分で決めようと思っていた」。延長の5分間でガードナー1人で12得点。この試合の自身35得点のうち、約3分の1が延長での得点。勝負どころで期待に応えた。

集中力は極限まで高まっていた。「延長では得点ボードは見ていたが、ゾーンに入っていたので、試合状況はあまり覚えていない」。残り1分43秒に81-82と逆転されたが、その18秒後、再逆転の83点目。残り45秒では85点目、そして追いつかれた後の87点目。10連続得点の間、福岡に5点を返されて厳しい状況にもなったが、乱れることなく得点を重ねた。

連勝の中、ガードナーに対する相手のマークは当然厳しくなる。この日も福岡は2、3人がかりで止めにきた。相手のタイトな守備で接触が重なっても、メンタルをコントロール。「自分はチームのリーダー」。そう自らに言い聞かせては落ち着き、集中を保った。

今季最もタフな試合を制してチーム最長の連勝は8まで伸びた。庄司和広監督(43)は「内容的には福岡さんの方が上。最後はダバンテの個の力だった」と反省気味に振り返ったが、同時に「勝ち切れたことは大きい」。ガードナーは「勝利を続けたい。明日(27日)はもっといい試合をする」。激戦の末につかんだ1勝が、連勝をさらに伸ばす意欲を刺激した。【斎藤慎一郎】