16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介(24=ブリヂストン)が、国内で調整して、4月の日本選手権(東京辰巳国際水泳場)に臨む。19日、平井伯昌コーチが指導する大橋、青木玲らがスペイン高地合宿に出発した。萩野は合宿参加を取りやめて、東洋大の学生たちと一緒に練習することになった。

平井コーチは前夜、萩野と電話で話し合って「本人の中でも思い悩むところがあり、スペインに予定通りいきたいというのと、迷っているところがあった。『頑張りたい自分と、ゆっくりしたい自分がいる』ということで。ペースを落として頑張るのも大切かなと思った」と理由を説明した。

萩野は17日までのコナミオープンに出場。16日に400メートル個人メドレー予選で精彩を欠いて決勝を回避。翌17日の200メートル個人メドレーは棄権していた。血液検査を受けて異常はなかったが、練習の成果がレースで発揮できない不振が続いており、じっくりと調整する道を選んだ。

平井コーチは「高地合宿にいかなくても、本来の彼の力なら(日本)代表に入ることはたやすい。子どものころから張り詰めてやってきたから、ここでゆっくりするのもいい。何のためにやっているか、考えるチャンスでもある。五輪チャンピオンですから、普通に泳げば、相当な記録が出る。自分でよく考えて泳ぐことを期待したい」と話した。