新潟アルビレックスBBが劇的な勝利をものにした。名古屋ダイヤモンドドルフィンズと、延長にもつれ込む激戦を演じて106-100で、最大16点あった差を逆転。95-92で迎えた延長3分にはPG五十嵐圭(38)が超ロングの3点シュートを沈めて突き放した。これで中断期間を挟み6連勝。ホームでの連勝も10に伸ばした。37得点したCダバンテ・ガードナー(27)はB1通算4000得点(4018得点)を達成した。

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相手の反撃の意欲を打ち砕くような五十嵐の超ロングシュートだった。95-92で迎えた延長残り1分41秒。3ポイントラインの約3メートル後方から放ったシュートはショットクロックのブザーとともに決まった。普段は冷静なベテランPGが珍しく大声を張り上げた。「(あと)2秒くらいしかなかった。ああいうシュートが入ると(相手の)ダメージが大きい」と話し、「自然と声が出た」と勝負を左右する一投を振り返った。

第2クオーター(Q)に限れば7-27。名古屋Dのゾーンディフェンスに手を焼き、攻撃のリズムを崩した。ところが第3Q、41-57となった最大16点差をひっくり返した。第4Qで86-86と並び、オーバータイム(延長)に突入。立ち上がりは、B1通算4000得点を達成したガードナーが連続6得点。インサイドに相手の意識が集中すると五十嵐の長距離砲が効果的だった。「ベテランは試合中にもゲームを修正できる」と最年長の五十嵐は言った。

これでホームは10連勝。この日も4168人のブースターが集結し選手の背中を押した。「声援が力になった」。五十嵐は5分の延長を含めて37分21秒間の出場だったが、顔には疲労の色ひとつ浮かべない。20得点、5アシストでコートを走り切った。【涌井幹雄】