【パリ27日=吉松忠弘】全仏も絶対に獲る! 女子テニスで、全仏オープンに、18年全米、19年全豪に続く4大大会3大会連続優勝がかかる世界1位の大坂なおみ(21=日清食品)が、世界女王になって初めて、単独インタビューに応じた。苦手のクレー(赤土)克服法、そして全仏制覇まで、リラックスして語り、4大大会全制覇の野望まで明かした。大坂は、28日に行われる予定の1回戦で同90位のアンナ・シュミエドロバ(スロバキア)と対戦する。

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4大大会に初優勝した18年全米前のように、少し遠慮がちで、おどおどした姿はもうない。世界女王、大坂の堂々たる優勝宣言だ。

大坂 寝ても覚めても、今は全仏に優勝することだけを考えている。優勝するためにここに来た。今、私のテニスはそれがすべてよ。

クレーは球の弾む速度が遅く、なかなかポイントが決まらない。一発必中スタイルの大坂には苦手なコートになる。

大坂 昨年までは、本当に見るだけでいやになっちゃった。子どもの時は(米国内の)クレーでプレーしたんだけど、そのクレーは赤じゃなくて緑。赤はなかなか機会がなかったの。でも、今年は違う。多くのことを学んで、いい経験を積んだ。今こそ(優勝の)時が来たってね。

実は簡単な克服法を見つけた。一種の開き直りだ。

大坂 長い間、テニスをしてきて、クレーのシーズンは、必ずここにある。これ変わらないものね。逃げられない。だったら、やるしかないじゃないって思えたの。

ただ、得意なハードコートとは比較にならないほど体力を必要とする。

大坂 (クレーの)特徴は足を滑らせること。私はハードでも足を滑らせることがあるから、それほど苦じゃない。だけど、それが多くなると、すごく疲れる。だから、ちゃんとトレーニングをしないとだめ。でも、すごく面白いわよ。

18年全米から、あっという間にスターダムに駆け上がった。今は期待や注目も半端ではない。

大坂 もう全然、大丈夫よ。全米前は優勝なんて考えたこともなかった。だけど、今年の全豪では優勝しようと自分にプレッシャーをかけて、それを勝ち取ったんだもの。その後も、いろんなプレッシャーと戦ってきて、もうなれたわ。

4大大会初優勝から4大大会で3大会連続優勝すれば、女子のシングルスでは史上初の快挙だが、もっと先を見据えている。

大坂 ウィンブルドンだってある。不可能じゃないわよね。年間4大大会制覇? すてきじゃない。その先には、東京五輪よ。全部、勝っちゃったりして。もうテニスを始めたときからの夢が近づいている。頑張って、現実にするつもりよ。