女子78キロ級で、「寝技女王」こと浜田尚里(しょうり、28=自衛隊)が銀メダルを獲得した。初戦の2回戦から大外刈りなどの足技と寝技で相手を圧倒。決勝はフランスのM・マロンガに敗れた。

武器の寝技は、鹿児島南高時代から取り組んだ。山梨学院大時代に強化の一環でロシア発祥のサンボにも挑戦。サンボの世界選手権の優勝経験もあり「寝技なら誰にも負けない」と自負する。18年世界選手権を制して以降、国際大会での優勝こそないが、4月の全日本選抜体重別選手権でライバルの佐藤瑠香(コマツ)に勝利して、2年連続の世界代表に決まった。佐藤のほか、15年世界女王の梅木真美(ALSOK)との20年東京五輪の代表争いは続くが、初の夢舞台へ1歩前進した。

男子100キロ級で、17年世界王者のウルフ・アロン(23=了徳寺大職)は準々決勝で敗退。敗者復活戦に回り、銅メダルを獲得した。

◆柔道の東京五輪代表選考 男女各7階級1人で、選手の準備期間確保を重視した「3段階」による選考で決める。(1)世界選手権優勝者が11月のGS大阪大会を制し、強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成で代表入りが決定(2)12月のマスターズ大会(中国)、来年2月のGSパリ大会、GSデュッセルドルフ大会終了時点で、強化委の3分の2以上が1、2番手の差が歴然としていると判断すれば代表選出(3)最終選考は来年4月の全日本選抜体重別選手権で、強化委の過半数の賛成で代表決定する。

◆浜田尚里(はまだ・しょうり)1990年(平2)9月25日、鹿児島県生まれ。10歳で柔道を始める。鹿児島南高-山梨学院大-自衛隊。17年GS東京大会優勝、18年世界選手権優勝。右組み。得意技は内股。世界ランキング3位。趣味は旅行。168センチ。