2連覇を狙う世界1位の大坂なおみ(21=日清食品)が、全米注目のカードを制した。大会推薦出場で、15歳の天才少女、コリ・ガウフ(米国)に6-3、6-0で勝ち、4回戦に進んだ。4大大会の16強入りは1月に優勝した全豪以来。4回戦では、同12位のベンチッチ(スイス)と対戦する。対戦成績は大坂から1勝2敗。

試合後、大坂は涙ぐむ15歳を励ますように声を掛けた。「一緒にインタビューを受けましょう」。断るガウフを再度、頼んだ。昔から知っている間柄。大舞台での試合がうれしかった。自らも感極まり、涙を流す場面もあった。「前から知っている私たち 努力してこの舞台にいるのがうれしい」と涙の理由を説明した。

両者のプレースタイルは対照的だった。大坂は、持ち味のパワーを保ちながら、今大会で見せている安定感のプレーが見事に融合した。ガウフは、スピンが効いた球を送り込み、高めの弾道と弾む球種で、決してミスをしない守備型。それに、ときおり放つ強打が、相手のミスを誘った。

ガウフは、天才少女とはいえ、まだプロツアーで成績を残したのは、7月のウィンブルドンだけだ。68年オープン化(プロ解禁)以降、予選を勝ち抜いた最年少選手となった。本戦でも16強入りし、ガウフ旋風を巻き起こした。

その間、大坂は、「テニス人生で最悪の期間」に苦しんでいた。ガウフが注目を浴びたウィンブルドンでは、1回戦で敗れ、ショックのあまり会見を途中で切り上げた。しかし、そのスランプを克服し、2連覇がかかる全米にたどり着いた。

次戦のベンチッチとも、ちょっとした因縁がある。今年3月のBNPパリバオープン。昨年、大坂がツアー初優勝を飾った大会で、初めて前年覇者として挑んだ大会だ。その大会の4回戦で2連覇を阻まれた相手が、ベンチッチだった。現在2連敗中。ガウフに続く強敵が待ち受ける。

 

◆全米オープンテニスは、WOWOWで8月26日~9月9日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。