レスリングの世界選手権は22日にカザフスタン・ヌルスルタンで閉幕し、東京オリンピック(五輪)へ向けた日本代表の現在地が示された。参議院議員で拓大レスリング部監督の須藤元気氏(41)は結果をどう受け止めたか。3種目の見解を聞いた。

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男子グレコローマン 60キロ級文田選手の金メダルは、今までライバル太田選手との切磋琢磨(せっさたくま)してきたことが、試合での勝負強さにもつながったところがあると思います。試合内容は立っても寝ても良しという、まさに王者。今回進歩が見えた寝技の伸びしろを追求していけば、五輪での頂点も見えてきます。まだ外に見せてない技を磨くには1年間は十分な時間だと思います。

太田選手は非五輪階級の63キロ級を制し、今後は67キロ級に挑むでしょう。短期間での増量、肉体改造が求められ、ウエート中心になると思います。筋肉はすぐついても体になじむには時間が必要です。ギリギリかなとは思いますが、彼には絶対的な武器がある。相手の顔をロックして放つ、がぶり返し。極めの技術は相手の体重は関係ない。確実に上の階級でも通用するので、がぶりまで持って行く道筋を力勝負の中でどう構築するかがポイントです。

女子 正直、世界のレベルは年々上がっています。中量級以上は特に強くなっていますね。これまでは女子レスリング=日本、の構図が続きましたが、現実は変わってきています。圧倒できる試合はなくなっていますね。その中で川井姉妹が内定を決めたことは大きいのではないでしょうか。57キロ級の梨紗子選手は伊調選手との戦いをへて、確実に成長しましたね。今後は女子チームの中心的役割も求められると思います。今まで先輩の吉田沙保里さんのリーダーシップを見ているので、ぜひ川井梨沙子選手にはチーム力も強めていってもらいたいです。さらに向上してくる海外勢と渡り合うにはチームの団結が必要です。

男子フリー 74キロ級の奥井選手はあっぱれでした。中量級以上は海外勢に勝つのは難しいのが現状です。奥井選手は初出場ながら3位決定戦でロンドン五輪金バロウズ選手と戦えた経験は何事にも代え難いです。0ー10の完敗で5位にはなりましたが、通用することとしないことが精査できたはず。階級の中では小柄な方なので、近距離でポイントは取れても、遠い距離からの攻撃には対処が難しい。そこのところを改良していくことがポイントです。

世界王者として臨んだ65キロ級の乙黒選手は2度の敗戦があり5位。枠取りにとどまりました。ここで崩れるような選手ではないですが、12月の全日本選手権では再び国内で争いが待っています。実力のある選手ですが今後の課題はメンタルになるかもしれません。どのようにして強気な気持ちを作っていくかで、東京五輪での結果も変わってくると思います。