男子200メートル個人メドレーで、萩野公介(25=ブリヂストン)が、1分52秒89で優勝した。ライバルの瀬戸大也(25)が左膝の炎症でレースをを回避する中で、前半からトップでレースを展開。自身が持つ日本記録に2秒42及ばなかったが、春先の休養から復帰4戦目で、得意種目のV。復調の兆しをつかんだ。次戦は、日本代表入りの基準タイムがかかる社会人選手権(11月9、10日、静岡)に臨む。

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萩野が、表彰台の真ん中に帰ってきた。短水路(25メートルプール)ではあるが、得意の個人メドレーで復帰後初V。「大也(瀬戸)が出ない中で自分のレースができるか。(復帰後は)2番、2番だった。持久力とかは置いておいて、力は出し切ったと思う。1番がとれて素直にうれしい」。16年リオ五輪で金、銀、銅のメダル3個をつかんだ男が、うれしそうに口にした。

予選は全体トップ通過。決勝は優勝争い本命。平井コーチから「ここがターニングポイントかもしれないぞ」と言われた。練習の内容がレースで発揮できないことが問題だった。レースは前半から飛ばして2位以下に大差。「普通にやれば勝てるレース」で、ちゃんと勝つことが復帰後の萩野にとって何よりの薬だ。

欠場した瀬戸からは「決勝、頑張ってくれよ」と言われた。「今日も大也がいれば(自分よりも)前にいると思う。レースも練習も全力でやっていきます。まだまだこれからなんで」と不敵に笑った。【益田一弘】