全国高校バスケットボール選手権(ウインター杯)県予選会の2次ラウンドは11月3日に開幕する。

男女とも開志国際が北信越優勝校として全国選手権出場をすでに決めており、県代表校を決める戦いになる。男子では3回戦(11月8日)から登場する第1シード新潟商が6年ぶりの全国舞台を目指す。昨年の全国選手権4位で外国人留学生を擁する帝京長岡が最大の難敵だが、相手の高さには195センチのC石山威月(3年)が対抗する。

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持ち前の負けん気が石山の顔に表れた。力強い言葉に負けず嫌いがみえる。「得点を決められると取り返したくなる。特に外国人留学生が相手だと燃える」。1年生からベンチ入りするが「最初は外国人留学生に歯が立たずにズタボロにされた」という苦い経験が、闘志の源だ。代表決定戦は高さとパワーのある外国人留学生を擁する帝京長岡と対戦する可能性が高い。3年連続で全国選手権4強以上の強敵だが県総体準決勝では76-62で勝利。6年ぶり「全国」のチャンスだ。

新潟商は13年以来ウインター杯から遠ざかる。それまでは17年連続出場していた常連校だった。04年には4位に入り、OBの信田英樹監督(44)も93年大会で主将として16強入りに貢献した。県総体決勝で57-104と完敗した開志国際は北信越優勝校として出場権を得ている。だからこそ石山は「全国大会は高校最初で最後のチャンス」と張り切る。小6と中1に2度の成長痛を経験した195センチは外角の3点シュートも持ち味。信田監督は「インサイドもアウトサイドもできてプレーの幅を増やしている」と大型センターに期待する。

決して練習環境には恵まれていない。新潟商男子バスケット部は他運動部との兼ね合いで水曜日は体育館が使えない。学校が閉まるのは午後8時。普段の練習は遅くても午後7時半には切り上げる。有力な私学校よりは短い練習で「ボールと人が広く動く」(信田監督)運動量を手に入れた。「練習時間は少なくてもワンプレー、ワンプレーの質を上げることを意識してやってきた」。名門復活へ、石山がコートを駆ける。【涌井幹雄】

◆石山威月(いしやま・いつき)2001年(平13)12月19日生まれ、新潟市出身。関屋中出身。バスケットボールは浜浦小から始める。高1からベンチメンバー。ポジションはセンター(C)。全国大会の経験はない。195センチ、77キロ。血液型AB。

◆全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ) 12月23日から29日まで東京・武蔵野の森総合スポーツプラザほかで行われる。出場は都道府県代表校、インターハイ決勝進出校に加え、今年からインターハイ後の全国ブロック大会の優勝校にも出場権が与えられる。