男子は1、2年生だけの佐渡が42年ぶり2度目の優勝を決め、初の「春高」切符を手にした。東京学館新潟に第1セットを奪われながら、3-1で逆転勝ちした。

169センチのエース北村宏樹主将(2年)は最高到達点3メートル10の高さを駆使して活躍。24-18で迎えた第4セットのマッチポイントもレフトから3枚ブロックを抜くスパイクを放った。全国大会(東京)は来年1月5日に開幕する。

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佐渡のエース北村がレフトに跳んだ。「オリャーッ」と大声を発しながら放ったスパイクは3枚ブロックをぶち抜いてコートに弾んだ。第4セット、24-18のマッチポイント。「3枚ブロックをよく見て、内側なら抜けると思った」と冷静に状況判断しながら強烈な“ウイニングショット”をクロスに打った。

「北村は非常にいい出来と言うか、いつも通り。彼らしくやってくれた」と源氏篤史監督(41)は主将のエースを評した。セットカウント1-1で迎えた第3セットは連続8点を稼ぎ、8-3とリードを広げた。最高到達点3メートル10の跳躍力を生かして放つ強烈なスパイクのほか、ブロック、ジャンプサーブでも得点。第1セットの最初のスパイクはネットに引っかけたが「みんなが笑って『いいよ、切り替えろ』と言ってくれて落ち着いた」。

そんなチームワークは小学世代から培ってきた。北村ほか主力メンバーは県を制した金井ジュニア出身。中学年代はクラブチームで全国大会準Vの実績がある。1、2年生だけのチームながら経験は豊富だ。セッター亘孝(2年)と北村は金井小からの同級生で呼吸もピタリ。佐渡バレーボール部OBの源氏監督は「大事に育ててきた佐渡の宝物」と選手たちを評した。

77年の県総体以来、42年ぶりの優勝だが春高バレーは初出場となる。北村は「全国の3年生は気迫があると思うが1、2年生の勢いを大事に戦いたい」と晴れの初舞台へ視線を向けた。【涌井幹雄】