ショートプログラム(SP)2位発進の紀平梨花(17=関大KFSC)がフリー151・95点を記録し、今季自己最高の合計231・84点で2位になった。優勝はSP首位で合計240・00点を記録したコストルナヤ(ロシア)。紀平は連覇を狙うGPファイナル(12月5日開幕、イタリア・トリノ)出場を決めた。

注目された冒頭、紀平が選んだのは3回転サルコーだった。成功させれば安藤美姫以来、日本女子2人目となる4回転ジャンプ(サルコー)は回避。2本のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を着氷させるなど、大きなミスなく演技し、ガッツポーズを見せた。

「(会場へ向かう)バスの中まで悩んでいたけれど『(浜田先生に)しっかりトリプル(3回転)で持っていったら?』と言われた。『トリプルでいこうかな』と80%で思っていたところだった。しっかり集中して、トリプルアクセルは2本とも、いいジャンプを跳べて良かったです」

シニア1年目の昨季はGPファイナル優勝。それでも今季のスケートカナダでは230・33点の高得点を記録しながら、GPデビューだったトルソワ(ロシア)の241・02点に屈した。「『すごい新時代だな』と感じました」。9月に左足首を痛め、3回転でアクセルの次に基礎点が高いルッツは回避した構成が続く。「2回転ルッツを跳んだら、まだ痛みがあって…」。万全な状態ではないが、完治を優先しており、この日の演技後に「仕上げたい」と誓った4回転とともに伸びしろを残す。

GPシリーズ2戦を終え、シーズンは佳境へと進む。「すごい新時代」で戦うため、再び鍛錬の日々を過ごす。