ショートプログラム(SP)首位の羽生結弦(24=ANA)がフリーもトップの195・71点を記録し、合計305・05点で3年ぶりの優勝を果たした。シリーズ2戦上位6人が権利を手にするGPファイナル(12月5日開幕、イタリア・トリノ)の3年ぶり出場も決まった。

羽生が心の底からNHK杯を楽しんだ。冒頭の4回転ループは1・65点の加点を導く成功。「今回の課題はループ。そこがクリアできたから、NHK杯を楽しもうと思った」。中盤の4回転トーループが2回転となり、以降のジャンプを大きく変更。約4分間の演技で観衆を魅了し「『もうちょっと点数を出したいな』って思っていた。『315…20点ぐらいまでいければ』と思っていたけれど(ジャンプが)抜けてしまったのでしょうがない」とほほえんだ。

昨季はファイナルの出場権を手にしながら、故障で棄権。それだけに「やっとファイナルを戦える位置まできた。やっぱり、かなりたまっていたので。気持ちが。『やっといけるな』って思ってうれしい」と思いは強い。2週間後、イタリアの地で最高の滑りを披露する。