東北福祉大(宮城)が、関西女王の京都橘大にフルセットの末に敗れ、3年ぶりの8強進出を逃した。序盤からミスが重なり2セットを失ったが、第3セット以降は得意のコンビネーションで反撃。最終セット8-8から1度は相手サーブアウトの判定も、協議の結果で相手得点となってから4連続失点で力尽きた。

セッター境紗里奈主将(4年=弘前学院聖愛)は「得意のミドル攻撃を最後まで使えたことは良かったが、そこからのサイドの工夫やブロックアウトを取る技術が足りなかった」。ミドルブロッカーを先発の間野安里彩(1年=柏井)から並木芙由(2年=春日部共栄)中心に変更するなど、相手戦術に対応しながらリズムを変えた。ライトを積極的に使うなど、多彩な攻撃を支えた境主将は「1、2、3年生は良い経験を積めた。来年こそ頑張ってほしい」と96年以来となる優勝の夢を託した。

今春にVリーグ日立やJTなどでコーチを務めてきた松田健太郎監督が就任。前監督の佐藤伊知子部長と2人体制でさらなる強化を図ってきた。プロ仕様のデータや分析を新たに導入するなど進化の途中。同監督が「もともとレシーブは良いし、サーブ、ブロックの部分はやってきたことが出せた」と話せば、佐藤部長は「1セット目があんなポンコツではダメ。まあ、良い勉強。黙っていようと思ったけれど、2セット目からしゃべっちゃった…」と苦笑い。松田&佐藤体制2年目に期待が高まる1敗となった。【鎌田直秀】