女子は初出場の山形中央が、68-65で奈良文化に競り勝ち、初戦を突破した。両チーム最多33得点を挙げた島村きらら(2年)を中心に、第4クオーター(Q)で逆転。山形大会で29連覇中だった山形商を破った終盤の強さが、全国舞台でも光った。明成(宮城)、郡山商(福島)の3校が2回戦進出。男子の東北6県代表7校は24日に登場する。

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山形中央が創部74年目で初出場初勝利をつかみ取った。息詰まる熱戦に応援団だけでなく、会場全体から大きな拍手。第1Qの9点ビハインドから、逆転劇を生んだ得点源の島村は「インターハイとも違う観客や会場の雰囲気の中で、楽しめました。相手のレベルも高くて苦しい場面もあったが、身長が小さいながらも全員で全力でリバウンドやルーズボールを取りにいくことが出来たので勝利につなげられた」。試合後は選手全員で記念撮影し、喜びを分かち合った。

第4Q終盤が真骨頂だった。61-61の同点とすると、島村がバスケットカウントでフリースローも決め、3点リード。1度は相手の3点シュートで追いつかれても、斎藤葉那(3年)のシュートで勝ち越し。相手が同点機のフリースローを外す中、最後も斎藤がフリースローを連続で決め、試合を締めた。

センター以外全員の積極的な仕掛けがチームの強み。得意のドライブで得点を量産した島村は「ベンチの人も声を掛け合って冷静に攻撃も守備も出来ることが終盤の強さにもつながっている。自分も大事なところで決めることが出来て良かった」。3年生が2人しかいなくても、コート内外で全員で考えられる力が、競り合いの強さにつながっている。

同校ではサッカー部、ラグビー部、柔道部なども立て続けに全国切符をつかんでいる。先陣を切った白星発進に「サッカー部などの友達も応援してくれていたし、女バスで勢いを付けられたかなと思う」。親から名付けられた「きらら」の名前のように「全国的にも少なくて気に入っているし、ウインターカップでも名前のように輝ければ良い」と力を込めた。

今日24日の2回戦では明星学園(東京)と対戦。今夏の全国総体では1勝止まりだっただけに「外国人留学生もいるし、身長もスピードもレベルが違うけれど、自分たちのバスケで3回戦に進出したい」。プレーも笑顔もキラキラと輝いた。【鎌田直秀】