女子の古川学園(宮城)はセットカウント0-3で東九州龍谷(大分)にストレート負けし、20大会ぶり4度目の優勝を逃した。スーパーエースのキューバ人留学生バルデス・メリーサ(2年)が右肩の痛みを訴えながら、バックアタック2本を含む計18得点と奮闘し優秀選手に選ばれたが、チームは終盤の粘りも及ばず力尽きた。それでもリベロ2人を含む先発の1、2年生5人が決勝コートを経験。「次こそ金メダル」と県新人大会からの再出発を誓った。

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古川学園がまたも「宿敵」に屈した。東九州龍谷とは11年夏の全国総体以来の決勝対決。10年3月終了の選抜優勝大会などを含め、全国決勝で6連敗を喫した。高校選手権では9大会ぶりに進出した決勝コートで持ち味を出せず、選手たちは相手胴上げを見ながら悔し涙を流した。昨年まで2年連続準優勝の強豪から1セットも奪えず、岡崎典生監督(51)は「キャリアの差。決勝に懸ける思いが違った。自滅です」と完敗を認めた。

第1セットの連続得点は3度にとどまり、第2セットもリードしたのは1点目だけ。世界ジュニア日本代表のミドルブロッカー荒木を止められず、サーブで崩されて失点を重ねた。同セット中盤は、頼りのメリーサが右肩の痛みを訴えてベンチで涙。エースの窮地に発奮した選手たちは第3セット、17点目までリードして競り合ったが、5連続失点で力尽きた。ミドルブロッカーの上沢沙織主将(3年)は「東龍の目つきと気合に押されてしまった。1、2年生が頑張ってくれたのにブロックが決まらなかった。気持ちの弱さが出てしまった」と悔いを残した。

敗れはしたが、1、2年生は準決勝から初めてのセンターコートを経験。新チームで悔しさを糧にする。チーム歴代最強アタッカーのメリーサは今大会6試合で計123得点をマーク。野呂桃花と杉木真優の2年生レフトも随所で鋭いアタックを決めた。メリーサは「(相手の)ブロックよりレシーブが良かった。2セット目からいない所を狙った。次は1本で決めて金メダルを取りたい」と、経験値とエースの自覚を高めた。

2月にはドミニカ共和国から、身長193センチの留学生も受験予定。公式戦で外国人留学生がコートに入れるのは1人だが、入学すれば留学生オポジット2人がベンチ入りとなり、メリーサの負担も軽減する。野呂は「前衛の仕事はできたけど、後衛のレシーブ力を磨きたい」と意欲。岡崎監督は「若いチームがよくやった。あと1つ、決勝に何が必要かを分かってくれたと思う。次のステージで生かしてほしい」と新チームに期待した。【佐々木雄高】