19年ワールドカップ(W杯)日本大会の日本代表SH田中史朗(35)が、キヤノンの今季初勝利に貢献した。雪が舞う中、三菱重工相模原の出足が鋭かった前半は10-15とリードを許したが、同じく日本代表のSO田村優(31)とハーフタイムに修正。「田村と話して、どこが空いているか、どう崩していくかを突き詰めた。後半はやりたいことができた」。看板ハーフ団が連動性を生み出した後半は、三菱重工相模原を縦横に振って13得点。試合をひっくり返した。

田中史はゲームのMVPに選ばれる活躍。「今日は体を張ってくれたFWに感謝。マン・オブ・ザ・マッチはFWだと思いますが、何ででしょう、名前ですかね」と笑わせつつ、強豪パナソニックから今季移籍してきた新チームについて「意識改革を心掛けている。パナソニックや日本代表では当たり前のことが、まだできない。自分の経験を基に、周りが言えないことをしっかり言う」と取り組みを明かした。

その中で「若手の選手に発言する機会を与えたり(フランカー)嶋田(直人)キャプテンたちとコミュニケーションを取りながら、1人1人に自信をつけていく。自信がつけばプレーも乗ってくるので、自分のプレーどうこうよりも、チーム全体として経験を落とし込むことを意識しています」と引っ張り、チームの今季初白星に力を注いだ。